一般眼科

白内障

白内障とは加齢により水晶体が濁った状態です。 多くは80歳以上の方が発症すると言われていますが、40歳ぐらいから発症するケースもあります。

症状

  • 目がかすむ
  • まぶしい
  • 視界がぼやける
  • ものが二重に見える
  • 眼鏡が合わなくなった
  • 細かい文字が見えにくい

原因と種類

  • 老人性(加齢性)白内障
    水晶体の濁りは加齢による自然な老化現象ですが、個人差が大きいです。
    このような老化現象による白内障を老人性(加齢性)白内障と呼び、白内障の大半がこのタイプに分類されます。
  • 先天性白内障
    遺伝などが原因で、水晶体が生まれつき濁っている状態を先天性白内障と呼びます。
  • 若年性白内障
    ぶどう膜炎などの眼科疾患、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの病気、治療に使用した薬剤などが原因で白内障を発症することがあります。
  • 外傷性白内障
    スポーツ中の事故や交通事故など、目に受けたケガや衝撃が原因で水晶体が濁り、白内障を発症することがあります。

治療

水晶体を、人工の眼内レンズに取り替えることで治すことができます。
日本では毎年100万人以上の方が受けており、安全で効果的な治療法です。

緑内障は、眼圧が上昇することで視神経に異常が生じ、徐々に視野が狭くなったり、視力低下が生じる病気です。
日本人の中途失明の原因として1位です。

眼圧が高くなる仕組み

緑内障

視神経の強さには個人差があるので、眼圧が高いから緑内障になるということではありませんが、眼圧が高いことで緑内障の発症リスクは上がります。
眼圧が適切な範囲に保たれることで、視神経へのダメージが最小限に抑えられ、緑内障の進行を遅らせることが可能です。圧の値には、房水(眼内を満たす透明な水)の量が関係しています。
眼内の房水の量が増えると、眼圧は上がっていきます。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。

  1. 何らかの原因で、房水の出口である排出路(線維柱帯、シュレム管)が詰まる、働きが悪くなる。
  2. 元々、隅角(房水の通り道)が狭い。
  3. 房水の産生量が過剰である。

眼圧だけでなく、遺伝的要素や加齢、一部の疾患や薬物の使用なども緑内障のリスクを高めることがあります。
緑内障は初期の段階では自覚しにくい病気でもありますので、予防や早期発見に向けて、定期的な眼科検診を受けることが重要です。

原因と種類

1. 原発開放隅角緑内障

隅角(房水の通り道)は広いですが、排水経路からうまく房水が流れずに、緑内障を発症してしまうものを原発開放隅角緑内障と言います。眼圧が高いタイプと高くないタイプの2種類があります。

●眼圧が高いタイプ
眼圧の正常値は10mmHg~21mmHg程度とされていますが、この原発開放隅角緑内障では、眼圧の値が正常範囲より高値を示します。
(眼圧は高値だが、視神経が障害されていない場合は緑内障とは呼ばずに、「高眼圧症」という呼び方をされます。)

●眼圧が高くないタイプ(正常眼圧緑内障)
正常眼圧緑内障では20mmHg以下にもかかわらず緑内障を発症します。

◆原因
・視神経が「正常値」の眼圧に耐えられない
・視神経の血流が悪いことなど
この型が日本人の緑内障に一番多いとされ、約70%を占めると言われています。

2. 原発閉塞隅角緑内障

隅角が狭いため(水晶体の相対的位置異常や浅前房に伴うもの)、房水の通り道が塞がりやすく、眼圧上昇を引き起こします。
慢性的に経過することもありますが、何らかの原因で隅角が完全に塞がってしまうと「急性緑内障発作」を引き起こし、急激に眼圧が上昇します。

●急性緑内障発作
「急性緑内障発作」とは「閉塞隅角緑内障」の方が何らかの原因で、隅角が完全に塞がることで起こる非常に危険な発作です。
急激に眼圧が上昇することで、以下の症状が起こります。

◆症状
・眼痛
・頭痛
・吐き気
・霧視 など

◆眼所見
・著しい眼圧上昇(40~80mmHg)
・毛様充血(強い充血)
・中等度の散瞳
・角膜浮腫

※急性緑内障発作は、一晩放置しておくと失明に至る可能性がある怖い病気です。そのため、直ちに眼圧を下げる処置を行う必要があります。
閉塞隅角緑内障の治療・急性緑内障発作の予防として、「白内障手術」が推奨されます。
房水が流れにくい部分がスムーズに流れるようになり、急性緑内障発作の予防になります。

3. 発達緑内障(先天緑内障)
【生まれつき異常があるもの】

生まれつき、房水の通り道である隅角に発育異常があることで眼圧が上昇し、視神経が障害されます。
生後1歳までに約80%が発症するとされ、生まれた時に起こっている場合は「先天緑内障」と呼ばれます。

  • 角膜径拡大(黒目がかなり大きく見える)
  • 角膜混濁
  • 角膜浮腫

4. 続発性緑内障
(他の疾患など原因が明らかなもの)

緑内障以外の目の病気や全身疾患、ステロイド薬などの薬物が原因となり、眼圧が上昇します。

●代表的なもの
・ぶどう膜炎に伴う緑内
・糖尿病に伴う緑内障
ステロイド緑内障 など

5. 落屑緑内障

フケ状の物質が、線維柱帯に沈着することが原因で起こります。

緑内障の危険因子

・年齢
・遺伝
・強度近視
・喫煙・飲酒
・高血圧
・糖尿病

◆症状
・視界欠損(ゆっくり、少しずつ狭くなるため自覚しにくいです)
・視力障害

◆治療
緑内障は、手術による完全な回復は望めません。一度傷ついた視神経をもとにもどす方法はなく、進行をくい止めることが目標となります。そのため、早期発見・早期治療が重要です。
房水の産生量を減らしたり、房水の流れを促進たりする効果のある点眼薬で、眼圧を下げます。

様々な原因により、涙の量の減少・涙の質が低下して
目が乾いたり、黒目(角膜)に傷がついたりする状態です。

原因

  • ソフトコンタクトレンズ
  • エアコン
  • VDT作業(パソコン・スマホ・タブレット等)
  • ストレス
  • 加齢
  • マイボーム腺の詰まり
    まぶたに存在する外分泌腺で、油成分を分泌することで、涙液の蒸発を防ぐ役割を担っています。マイボーム腺が詰まると、涙の蒸発が進行して、ドライアイになります。
    マイボーム腺が詰まる原因として、特に注意したいのがアイメイクです。
    • 粘膜の部分にアイラインを引く
    • まつ毛の根元にまで、マスカラやアイシャドウをたっぷりつける
    • つけまつ毛の接着剤 など
  • まばたきが不完全
  • 涙が出ない疾患(シェーグレン症候群や、スティーブンスジョンソン症候群などの自己免疫疾患)
    ★シェーグレン症候群
    涙腺、唾液腺をはじめとする全身の外分泌腺に慢性的に炎症が起こり、外分泌腺が破壊されてドライアイやドライマウスなどの乾燥症状が出現する病気です。
    ★スティーブンス・ジョンソン症候群
    高熱や全身倦怠感、眼の充血や腫れ、口唇・外陰部粘膜のただれ、 体の広い部分に赤い斑点(紅斑)や水ぶくれ(水疱)のできる病気です。

症状

  • 目が乾く
  • 目が疲れる
  • ゴロゴロとした異物感
  • 充血
  • 目が開けにくい
  • なんとなく見えづらい

治療

目を潤す点眼薬を処方します。
その他に涙点(涙を排出するための出口)にシリコンや、液体コラーゲンのプラグを涙点に挿入して、涙が溜まるようにする治療法があります。
マイボーム腺機能不全があり、油が不足している場合は、マイボーム腺を温める温罨法(市販の目を温めるシートやカイロで数分温めること)が有効です。

眼を酷使することで起きる症状のことです。
疲れ目と違い、目を休めても疲れが回復せず、頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状を伴います。

原因

  • 眼鏡やコンタクトレンズの同数が合っていない
  • ドライアイ
  • 長時間のVDT作業(パソコン・スマホ・タブレット等)
  • ストレス、不規則な生活リズム、自律神経の乱れ

症状

  • 目が重い
  • 目が痛い
  • まぶしい
  • 目がかすむ
  • 目が乾く
  • 充血
  • まぶたがピクピクする
  • 頭痛
  • 首や肩のこり
  • イライラ感
  • 吐き気

治療

まずは原因を探し出し、それを排除することが大切です。
ビタミン剤配合の点眼薬や、内服薬を処方することもあります。

ものを見ているときに、小さな糸くずや虫のような浮遊物が、動いて見える状態のことです。

原因

  1. 生理的なもの(病気ではない)
    加齢による生理的な原因によるもの
  2. 網膜剥離や網膜裂孔など

症状

浮遊物の大きさ・形・数はさまざまであり、目線の動きに合わせてついてきます。
最初は鬱陶しさを感じ、気になりますが、徐々にその見え方に慣れてくる場合が多いです。
さまざまな年齢層の方に起こりえますが、中でもご高齢の方や近視の強い方は、症状を自覚しやすい傾向にあります。

治療

生理的なものは、特に治療の必要はありません。
目の病気が原因となる飛蚊症は、網膜光凝固術(レーザー治療)や網膜硝子体手術を行います。

»網膜光凝固術(レーザー治療)について
»網膜硝子体手術について

近くを見るときに必要な、「調節」の機能えた状態です。

原因

水晶体の弾力性が失われて、水晶体が硬くなるため起こります。
年齢を重ねることに伴う生理現象です。

症状

  • 細かい文字が読みにくい
  • 手元が見えにくい
  • 目の疲れ
  • (初期症状)長時間近くを見た後に、遠くを見るとかすんで見える

治療

老眼鏡や遠近両用眼鏡、遠近両用コンタクトレンズの使用。

色の違いがわかりづらい状態です。

原因

・先天性(生まれつき)
目の奥にある網膜の、色に反応する視細胞(錐体)の異常

[遺伝について]
色覚異常は様々な遺伝形式をとります。その中でも最も頻度の高い先天赤緑色覚異常の場合、原因は遺伝子で、伴性劣性遺伝という特殊な遺伝形式をとります。

伴性劣性遺伝で、原因となる遺伝子は性染色体上にあります。
正常の性染色体をX、色覚異常のものをX´とすると、男性の場合、X染色体を一つしか持っていませんので、受け継いだX染色体が色覚異常の遺伝子を持っていれば「X´Y」となり色覚異常を発症します。
一方、女性の場合、X染色体を二つ持っていますので、「X´X´」となれば色覚異常になりますが、「XX´」の場合、保因者ということになり、色覚はほぼ正常です。このため、先天色覚異常は圧倒的に男性の方が多く、日本では男性では20人に1人、女性では500人に1人と言われています。ちなみに、保因者は女性全体の約10人に1人といわれています。 

・後天性
白内障・緑内障・糖尿病網膜症・網膜色素変性症・加齢黄斑変性症・脳梗塞 など

症状

見分けにくい色があります
赤と緑
緑と茶
青と紫
オレンジと黄緑
水色とピンク
ピンクと白色 など

色の見え方以外の異常が出ることはほとんどありません。

学校生活で不自由を感じてしまう事例

  • 黒板(緑)に書かれた色チョーク(赤)の文字が見えづらい
  • 掲示物の文字を判別しづらい
  • 化学実験や薬品等の色の識別が難しい
  • 気象条件や光の加減により、信号機の色の判別が難しい など

治療

現在の医療で治すことはできません。
しかし悪化することもありません。
色覚異常は個性のひとつとして、前向きに受け止めていただき、この病気と末永く向きあっていただきたい、と思います。

就職において制限が設けられている職業例

  • 点灯ランプ等の細かな色の違いによって直接的に操作や作業に影響が出てしまうような職業
  • パイロット、電車の運転士、航海士、自衛官 など

糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症の一つです。進行すると失明のリスクがあるため、早期の発見と治療が不可欠です。
糖尿病をお持ちの方は、眼科での定期検診を欠かさず受けましょう。

症状と種類

糖尿病網膜症の進行段階
1. 単純網膜症
2. 増殖前網膜症
3. 増殖網膜症

1. 単純網膜症

眼科の定期健診を受けることが大切です。
初期段階では、血糖値のコントロールを行うことで進行を止めることができます。

◆症状
・眼底に小さな出血や白斑が見られる
初期段階での自覚症は、ほとんどありません

2. 増殖前網膜症

放置してしまうと増殖網膜症に進行し、失明する可能性があります。

◆症状
視力が低下しないことも多く、自覚症状が無い場合もあります

3. 増殖網膜症

硝子体出血
(新生血管が網膜や硝子体に向かって伸び、血管壁が破れるて血液が硝子体に流れ出た状態。透明な組織である硝子体に血液が流れ込むと、視力低下や飛蚊症を引き起こし、異常を自覚するようになります。)

◆症状
・視力低下
・飛蚊症
・硝子体出血

治療

網膜剥離は、眼球の内側に張りついている網膜に破れ目(網膜裂孔)や穴(網膜円孔)ができて、その部分から液化した硝子体が網膜の下に入り込み、網膜が内側に剥離する病気です。
網膜剥離は重篤な疾患で、放置すると失明する可能性があるため、見え方に違和感がある場合は早急に受診をお勧めします。

原因

  • 加齢
  • 強度近視
  • 外傷

症状

  • 飛蚊症や光視症(光の点滅や閃光が見える)
  • 視野が狭くなる
  • 視力低下

治療

レーザー光凝固術(網膜光凝固術)や硝子体手術を行います。硝子体手術では、剥がれた網膜を押さえるため、目の中に空気や特殊な気体、もしくはシリコーンオイルを入れます。手術後は、うつぶせなどの姿勢で安静が必要です。網膜剥離の治療では、術後の体位維持が非常に重要です。

»レーザー光凝固術について
»硝子体手術について

網膜は、酸素や栄養素を運ぶための動脈と静脈が密集しています。網膜静脈閉塞症とは、網膜の静脈に閉塞が起き、血流が悪くなる疾患です。
これにより栄養素や酸素が不足し、眼底出血や浮腫、硝子体出血などを引き起こします。

原因

  • 動脈硬化
  • 50歳以上の方
  • 網膜静脈閉塞症の危険因子
    高血圧・糖尿病・緑内障・血液疾患

症状

  • 視力低下(急激に低下することもあります)
  • 視界の歪み
  • 視野欠損

治療

硝子体注射やレーザー治療(網膜光凝固術)を行います。硝子体内注射は、網膜や黄斑の浮腫の緩和させます。レーザー光凝固術は、閉塞された静脈が還流している領域にレーザーをおこなうことにより、網膜の浮腫を改善し、異常な新生血管の発生を抑制させます。

»硝子体内注射(抗VEGF治療)について
»レーザー光凝固術について

加齢黄斑変性症は、加齢に伴い黄斑に障害が生じ、見えにくくなる病気です。
近年増加中の疾患で、米国では失明原因の第1位となっており、日本でも失明原因の第4位です。

原因

特に黄斑や網膜色素上皮細胞などの、老化現象が主な原因と考えられています。
・加齢(老化現象)
・喫煙
・太陽光
・高血圧
・高脂肪食(脂分の多い食事)
・遺伝

加齢性黄斑変性は「萎縮型」と「滲出型」の2つに分類されます。
1. 滲出型
新生血管(新しくも脆い血管)が網膜の下にでき、そこから漏れる成分や血液が黄斑に障害を与えます。

2. 萎縮型
加齢に伴って、黄斑が委縮していきます。

症状

  • 見たい部分が黒く見える
  • 歪んで見える
  • ぼやけて見える

治療

加齢黄斑変性の原因となる新生血管は、血管内皮増殖因子(VEGF)という、たんぱく質により促進されます。このVEGFを抑えるために、硝子体内注射(抗VEGF治療)を行います。

»硝子体内注射(抗VEGF治療)について

黄斑上膜、黄斑前膜、黄斑前膜などともよばれます。
黄斑部の網膜の表面に膜様組織が形成されて、膜様組織が収縮により網膜上にシワができます。

原因

  • 加齢(50~70歳代に多い)
  • 網膜裂孔後、網膜剥離手術後
  • 不明

症状

  • 物が歪んで見える(変視症)
  • 見えにくい

初期段階での自覚症状は、ほとんどありません

治療

点眼や内服薬で有効なものはありません。
進行し変視症が強くなる、視力が低下する、といった症状が顕著になれば硝子体手術を行います。

眼の奥にある網膜の中心部で、ものを見るのに大事な「黄斑」に孔 を生じる病気です。

原因

  • 加齢に伴う硝子体の収縮
  • 強度近視
  • 外傷
  • 原因不明

症状

  • 物が歪んで見える(変視症)
  • 見えにくい

治療

点眼や内服薬で有効なものはありません。
硝子体手術を行います。

結膜炎とは、白目とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)が、炎症を起こした状態です。

ウイルス性結膜炎

とても感染力が強い、うつる結膜炎

とても感染力が強いため、周囲の人にうつりやすく
タオルの共有を避けるなど、感染を予防するための細かい配慮が必要です。

1. 流行性角結膜炎(はやり目)
◆原因
・アデノウイルスの感染

◆症状
感染してから7~14日で症状があらわれます。
・たくさんメヤニや涙が出る
・充血
・ゴロゴロとした異物感
・まぶしい
・目がかすむ

2. 咽頭結膜炎(プール熱)
◆原因
・アデノウイルスの感染

◆症状
感染してから5~7日で症状があらわれます。
・喉の痛みや発熱
・たくさんメヤニや涙が出る
・充血
・ゴロゴロとした異物感
・まぶしい
・目がかすむ

3. 急性出血結膜炎
◆原因
・エンテロウイルスの感染

◆症状
感染してから1~2日で症状があらわれます。
・白目がべったりと赤く染まる
・メヤニ
・充血
・ゴロゴロとした異物感
・充血
・まぶしい

◆治療
アデノウイルス自体に効果のある治療薬はなく、症状の緩和を目的とした治療となります。
安静にして、治るのに2~3週間かかります。
炎症を和らげるためにステロイド点眼薬や細菌感染の合併を防ぐために、抗生剤を処方します。

あまりうつらない結膜炎

ヘルペス結膜炎
◆原因
・ヘルペスウイルス

◆症状
・充血
・たくさんが出るメヤニ
・目の周りに赤く小さな水胞が出る
・目の周りにチクチク、ズキズキとした痛みや強いかゆみが出る

角膜ヘルペスを合併することもあります
・ゴロゴロとした異物感
・目のかすみ

◆治療
炎症を和らげるためのステロイド点眼薬、細菌感染の合併を防ぐための抗生剤を処方します。

帯状疱疹

水痘帯状ヘルペスウイルスによって、引き起こされる疾患です。
このウイルスは水痘(水ぼうそう)の原因でもあります。水痘帯状ヘルペスは、体のあちこちの神経節に残り潜んでいるため、病気や疲労などで体の抵抗力が落ちた時にウイルスが活性化し、体のいろいろな箇所に帯状疱疹をひき起こします。

眼部帯状疱疹とは

三叉神経第1枝の領域(おでこ、眉毛部分、上まぶた、鼻の皮膚に相当する部分)に病変が現れます。眼で発症すると、左右どちらかだけに起こるのが特徴的です。左右どちらかの上まぶたから額にかけて痛みだし、その後、その領域に皮疹(発赤、水疱)が出現します。
強い痛みを伴いやすく、皮膚がきれいに治っても長期間痛みや刺激感が残ることもあります。

◆症状
・充血
・ゴロゴロとした異物感
・目のかすみ
・緑内障(眼圧の上昇により)
・神経麻痺

◆治療
目の症状に対しては、抗ウイルス薬の眼軟膏や内服薬、炎症抑制の点眼薬による治療が行われます。初期のうちに治療を始めると、比較的治りが早く、特に皮膚症状が出て72時間以内に治療を開始すれば、後遺症が出にくいといわれています。
眼部も含め、帯状疱疹は、免疫力や体力が低下したときにかかりやすい病気なので、まずは安静にしてしっかりと休養することが大切です。また、初期治療が大事なので、目の周囲に違和感があれば、早めに眼科の診察を受けましょう。

細菌性結膜炎

◆原因
黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌など、主にのまりに存在している細菌感染によってき起こされる疾
患です。

◆症状
・粘く黄いメヤニがたくさん出る
・充血

◆治療
抗生物質の点眼薬をきちんと使用すると、数日で治ります。
細菌の種類によっては、軟膏や内服薬を使用することもあります。

アレルギー性結膜炎

目に起きる色々なアレルギー疾患の総称です。

◆原因
性でいのはダニ・カビ・ウス季節性の表はスなどによる花粉です。

◆症状
・目・まぶたの痒み
・充血
・白っぽいメヤニ
・ゴロゴロとした異物感
・涙が出る

◆治療
抗アレルギー薬や、抗ヒスタミン薬などの点眼治療が行われます。
症状が重い場合には、ステロイドの点眼薬を使用することもあります。

結膜下の小さな血管が、破れ出血したものです。
自覚症状がないことが多く、鏡を見て初めて気づいたり、周りの人に指摘されてわかることがほとんどです。

原因

原因はさまざまで、思い当たる誘因がなくても起きます。

  • 外傷や眼を強くこすったりするなどの眼への衝撃
  • くしゃみ・せき
  • 突然の血圧上昇
  • 過飲酒
  • 白内障手術後・硝子体内注射後
  • ウイルス性結膜炎や、白血病などの血液疾患(非常にまれ)

アスピリンや抗凝固薬などの血液をサラサラにする薬を使用している場合、出血の量が多くなる傾向があります。

症状

治療

  • 白目がべったりと赤く染まる

     

痛みや痺れはありません

出血は、1~2週間(強いものでは2~3カ月)で自然に治ります。

白目の表面にある結膜が、目頭の方から黒目に向かって三角形に伸びてくるもの

原因

はっきりとした原因はかっていませが、紫外線が病気の発生に関係しているといれています。

症状

  • 充血
  • 異物感
  • 視力低下
翼状片が黒目の中心近くまで伸びてくると、乱視が強くなって見えにくくなります。

治療

充血や異物感が強い場合は、点眼治療をおこないます。
翼状片が大きくなって、視力に影響してくると手術が必要です。

上のまぶたが下がってくる状態のことです。

原因

①先天性
・まぶたを上げる筋肉が生まれつき薄い

②後天性
・まぶたを上げる筋肉が薄くなる
・まぶたを上げる筋肉が脂肪に変わった
・たるんだまぶたの皮膚が、まつ毛の上からかぶさる
・ハードコンタクトレンズ長期装用
・脳疾患(脳腫瘍や脳動脈瘤 など)
・神経疾患(顔面神経麻痺 など)
・全身疾患(重症筋無力症 など)

症状

  • まぶたが下がる
  • まぶたのたるむ
  • 上方の視野が狭く感じられる
  • 涙が出る

治療

手術が必要となります。希望される合には、専門関にご紹介させていただきます。

た全体が(球側)かってまくれ込んだ状態のことです。

原因

①先天性
生まれつきまぶたの皮膚のたるみが強く、皮膚の下の組織の接着が弱いために起こる。

②加齢性
加齢によってまぶたの皮膚がたるんだり、まぶたを支えている組織や皮下の筋肉が緩んだりすることで起こる。

症状

  • まぶたとまつ毛が当たり、ゴロゴロとした異物感
  • 涙が出る
  • まぶしい
  • メヤニ
  • 充血

治療

先天性では、成長とともに1歳前後で治癒することが多いため、まずは目を清潔に保ち、目やにや黒目の傷に対して目薬を使用して治療を行ないます。
症状が改善しない場合や、常に黒目に傷がつくことで視力の発達への影響が予測される場合には手術を検討します。
加齢性では、目薬やテーピングの使用、当たっているまつげを抜くなどで経過をみることがあります。症状がひどい場合は手術を検討します。

まぶたのふちにある脂腺や汗腺に、細菌が感染することで発症します。

原因

黄色ブドウ球菌ブドウ球菌などによる感染

症状

  • まぶたの一部が赤く腫れる
  • まぶたが痛い
  • 充血
  • メヤニ
  • まばたきや指で押すと痛い

治療

発症して数日後には、皮膚のすぐ下で膿が発生し、この膿が破れて排出されるようになると、治るようになります。場合によっては重症化することもあります。
抗菌点眼薬、抗菌眼軟膏、抗菌内服薬を使用し、通常は数日~2週間くらいで完治します。症状が進行してしまった場合は、切開により膿を排出することもあります。

まぶたの一部にしこりが生じて、腫れが見られます。

原因

目の表面には、涙の水分が蒸発するのを防ぐために、油の層があります。その油を分泌しているのがマイボーム腺です。このマイボーム腺の脂が詰まることが原因です。

症状

  • 瞼が腫れる
  • まぶたにコリコリとしたしこりがある
  • 目に異物感がある
  • まぶたが腫れる

治療

何もしなくても治ることが多いですが、痛みや赤みがある場合は、抗菌薬の点眼を使用します。しこりのみで痛みがない場合、ステロイド点眼や軟膏による治療を行いますが、ステロイド治療を行ってもしこりが残ることもあります。その場合、気になるということであれば、手術で内容物を摘出することもあります。

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