医療コラム

手術のいらない視力矯正治療”オルソケラトロジー”をご存知ですか?

はじめまして、足立慶友眼科の視能訓練士☺︎です。
今回は、皆様に身近な近視についてお話ししようと思います。

現在世界の近視人口は増加傾向にあり、その中でもアジア人は近視の割合が多いと言われています。近視が進んでも、眼鏡やコンタクトレンズを使用すれば見えるのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は近視が進行すると、将来的に目の病気にかかりやすくなり、失明や視力障害に陥るリスクが高くなるのです。そのため人生100年といわれる時代を生きる子供たちの目を守るために、早めに近視に対して対策を行うことは重要です!

当院では手術をせずに近視治療ができるオルソケラトロジーを行っています。大人の方も『眼鏡やコンタクトレンズをせずに裸眼で過ごせたらいいな~』『近視治療に興味がある!!』という方は、是非参考にしていただけると幸いです。

オルソケラトロジーとは

Ortho(矯正)/kerato(角膜)/logy(学問・理論)
=角膜矯正により視力補正する治療法という意味です。
一般的な視力を矯正するコンタクトレンズとは異なり、
角膜矯正用のコンタクトレンズを使用します。

角膜矯正用コンタクトレンズとは
・角膜の形状を変えるために、特殊なデザインをしている治療器具
・装用を止めれば、角膜は元の形状に戻る

①夜寝る前にコンタクトレンズを装用

使用するレンズは"特殊な形状のハードコンタクトレンズ"です。 
一般的なコンタクトレンズ違い、オルソケラトロジーは寝ている間に装用するため、瞳(黒目)に酸素をたくさん通します。

②寝ている間に角膜を矯正

角膜の中心部分が平坦化することにより、光の屈折率を変化させることでピントが合うようになります。

③日中は快適な裸眼生活

朝起きたら、レンズを外しても近視が矯正さてている一定時間は、裸眼で過ごすことができます。

オルソケラトロジー

角膜は5層構造になっています。オルソケラトロジーでは角膜の最上層=角膜上皮層だけを矯正します。
角膜上皮層は、角膜全体の1/10を占めており、厚みは50μm。(日本人のまつ毛の太さが約100μmと言われいるので、かなり薄いのが想像出来ます)角膜の感覚を脳に伝える神経(三叉神経第一枝)が存在しているので、ハードコンタクトレンズを装用すると、慣れるまでは、異物感が出る場合があります。また、レンズによって角膜上皮層に傷がつくことがありますが、通常角膜上皮細は1~2週間で新しい細胞に入れ替わるため、自己修復することができます。ただし痛みの原因は様々ですので、目の不調がある場合は早めの受診、そして定期検査は必ず受けてください

・格闘技や水泳などのスポーツを裸眼で行うことができる
・手術ではないので、術後の感染症・合併症・後遺症などの心配がなく安心
・中止すれば、2週間ほどで元の角膜に戻る
・近視抑制効果が期待できる(海外において多数論文あり)

・毎晩装用する必要がある(睡眠時間は5時間以上)
・自由診療のため費用が高め
・強い近視・強い乱視があると不向き
・光が眩しく感じたり、にじんで見えることがある

当院では、オルソケラトロジーに適応する目か調べてから、実際のレンズをお試しいただきます。この期間にオルソケラトロジーの治療をするかを考えていただき、治療の意思がありましたら治療開始となります。ただし強度近視や乱視がある方や、角膜に疾患がある方は適応しないことがあるので、ご了承ください。
費用や通院頻度に関しては、当院のホームページ(近視進行抑制)をご参考ください。
オルソケラトロジーに少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ご気軽にご相談ください。

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